陰陽(教)師
「白うねりから姿を隠すために、今は摩利支天の陰形印を結んでいるが、あいつを捕まえるには、これを解かなければいけない」

鈴子は、晴明の手を見た。

左手を握り、右手をその上にそえた形。

「木下、万が一の時はフォロー頼むぞ」

鈴子のブレスレットを見ながら言う晴明に、鈴子は頷き返した。

「まかして」

言いながら鈴子は、晴明はこのために自分を起こしたんだろうなと思った。

『ん?』

目が覚めた時のことを思い出した鈴子に、ある考えが浮かんだ。

「ねぇ先生、あたしのことリンて呼んだ?」

鈴子は夢の中で何度もリンと呼ばれた。

夢の中では自らがリクエストしていたが、ひょっとしたら自分がなかなか目を覚まさないので、リンと呼びかけたのではないか。

そう思ったのだ。

「あたしがリンって呼ばれることに反応するからって…」

「さぁな」

晴明はそれだけ言うと、天井の白うねりに視線を向けた。

晴明の変化に気づいた鈴子は口をつぐむ。

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