陰陽(教)師
「家族のおかげですから…」

晴明の態度に戸惑うように、明菜はそっと目を伏せた。

その顔が赤くなっていたのは、教室に差し込む夕陽のせいだけではなかっただろう。

「でも決めたのは後藤自身だろ」

大したもんだ、と晴明は最後にそう付け加えた。

「へぇ」

嵩史は意外といった表情で腕組みした。

「教師らしいことも言えるんだな」

「そういう言い方はないでしょう」

明菜が嵩史を睨んだ。

「なんだよ。ホメられたからって、先生の味方か?」

「敵とか味方とかじゃなくて…」

「訊き忘れてた」

晴明が嵩史と明菜の間に割って入った。

「五島はミカン平気なのか?」

「はい。平気です」

右手をひらひらさせる晴明に、明菜は笑顔を返した。

その返事に、嵩史は再び舌打ちした。

すると、しばらく黙っていた金髪少女が、こらえ切れなくなったように吹き出した。

「笑ってんじゃねぇよ、木下!」

嵩史は顔を真っ赤にして叫んだ。

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