陰陽(教)師
「だって、さっき三池がすっ転んだの思い出したら、おかしくなっちゃって」

「う、うるせぇ!」

嵩史は立ち上がって怒鳴りつけたが、金髪少女の笑いは止まない。

「木下鈴子(すずこ)」

またファイルを手にした晴明が、金髪少女に呼び掛けた。

「リンでいいよ、先生」

笑い過ぎで浮かんだ涙を拭きながら、鈴子は言った。

「友達もみんな、リンって呼んでるからさ」

晴明は返事をせずに、ファイルを眺めていた。

「魔女とは珍しいな」

「ママの家系がそうなんだよ」

鈴子の話によると、母親は欧州で代々続く、魔術師一族の出身らしい。

「その一族出身の母親はなぜ日本に来たんだ?」

「ママは日本オタクなんだ」

「日本オタク?」

「正確に言うと、日本のアニメオタクかな」

日本のアニメは欧州でも人気だ。

アニメがきっかけで、日本にあこがれを抱く者も多い。

鈴子の母親も、そんなアニメファンであった。

< 25 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop