陰陽(教)師
式盤を見ながら、晴明が言った。

「天眼石?」

「メノウの一種で、ゴッドアイとも言われているパワーストーンだ。魔除けや破邪の石として、その効果は絶大と言われている」

「妖怪退治にゃもってこいの石ってワケか」

「もっとも、石の力を引き出すには相当な魔力が必要だ。木下は、一流の魔術師の血をひいてるのかもしれん」

「とてもそうは見えねーけどな」

その時、二匹の虫怪が晴明たちに向かって飛んできた。

「先生、伏せてろよ」

嵩史の髪の毛、いや猫毛が逆立った。

それは針のように飛び、虫怪を串刺しにした。

「そんな妖術も持っていたのか」

晴明が横目で見ながら言った。

「護身用だよ」

嵩史は畳に落ちた虫怪を蹴飛ばした。

「人間相手に使ったことは一度もねぇからな?」

いらぬ詮索を拒否するかのように、嵩史は語気を強くした。

「安心しろ、俺は生徒を信じる」

「けっ」

嵩史は小さく舌打ちしてもう一匹の虫怪を蹴飛ばした。

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