ぱすてる
映画は幼なじみの恋の話で
女の子扱いされないことに悩む女の子と
男の子扱いされないことに悩む男の子が
心惹かれていく物語だった。
普通に幼なじみではなかったら
こんなに慣れていることもなかった。
幼なじみだからこそ
誰よりも近いのに
誰よりも遠い。
そんな2人が結ばれていく‥。
あたしは映画を見ながら
ちらっと孝治くんを見ようとした。
−ばちッ
くるっと目を反らした。
ドキ‥ドキ‥‥
まさか目が合うなんて‥。
あたしは映画が終わるまで
顔がほてってしょうがなかった。
ほてりを冷ますために
ずっとずっと
冷たいココアを握りしめていた。
高鳴る鼓動を抑えながら。