狐に嫁入り!?


不思議に思いながらも着替え終わり、廊下に出ると皐月さんに一枚の雑巾を渡された。


「これから屋敷中の掃除をしていただきたいと思います」

「……や、屋敷中!?」


私は辺りを見渡す。

屋敷へ足を踏み入れてから、この部屋にたどり着くまでも時間がかかったというのに。

さっきのトイレまでの道のりも遠かったというのに。


「屋敷中って本当に屋敷中!?」

「屋敷中とは屋敷全体という意でしかないと思いますが」


サラリと表情の読めない顔で言い返されると何も言えなくなる。

皐月さんのことだから本気でしかないと思う……。

だけど、一人じゃ絶対無理!
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