狐に嫁入り!?


ヤマジという男は髪も目も灰色をしていた。

頭の上には坊ちゃまと呼ばれた男と同じ、小さな耳が付いている。


……足の間から見えるのは……ふかふかでシマシマの尻尾……。


ヤマジを迎えるように立った男の足元にも同じ尻尾はあった。


……この尻尾って……。



「坊ちゃま!彼女は人間です!見てわからぬのですか!」

「え!?人間!?」


驚いた男がしゃがんだままの私に中腰になって話しかけてきた。


「……お前人間か?」

「う、うん……そうだけど」


この二人が妖狐ではないのは確実。

助けてもくれた。


……けど襲われない保証はない。

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