狐に嫁入り!?
警戒心を強めて怯えていると、ヤマジがため息をついた。
「坊ちゃま……もう少し人間というものに興味を持って下さい。あなたもそろそろ娶(めと)らなければならない年齢ですよ」
「わーかってるって!だって人間がこんなに美しいとは思わなかったんだよ」
言い返すと男は頭を撫でてきた。
「人間、俺の嫁に来ないか?」
「……はぁ!?」
また嫁!?
なんなのこの世界!!
開けた口を閉じられずにいると、ヤマジが現れた時よりも大きく木々がざわめきだした。