狐に嫁入り!?


なんか悔しい。


「わ、わめいてなんかないよ!ウタクのバカヤローって叫んでただけ!」

「ふん、どうやらわめき足りないらしいな」

「う……嘘です!かなりわめいてました!だからもうわめき飽きましたー!」


危ない……ウタクを挑発すると何されるかわかんないんだった。



ナライは先ほどよりも距離をとり、顔をしかめながらウタクを見ていた。


「ウタク!その子……実雨ちゃんのこと、嫁って言ったな!?」

「それがどうした、狸」

「まだ実雨ちゃんの髪と瞳は黒い。正式な嫁じゃないだろ!?」

「回りくどいな。結論から言え」



思った通り……ナライは狸の精霊だった。


そしてナライの食ってかかるようなもの言いにもウタクは一切熱くならない。

ナライはゴクリと唾を飲み込んでから意を決したように口を開いた。
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