狐に嫁入り!?


「わー!やっぱ実雨ちゃんストップ!」




目の前にいたナライが叫び出した。



「……ナライ?」


答えを出せ、と言っておきながら止めるなんて。



「狸、何がしたいんだ?」



ナライの後ろからウタクの冷めた声が聞こえた。



「き、決めた!!ここは男らしく俺が身を引いてやる」

「ナライ!?どうしたの?」


私に答えを迫ってきておきながら身を引くナライの行動がおかしく思えた。


「ふん、負けを認めるとはただの腰抜けだな。男らしいとは言わん」

「ちげぇよ!負けを認めたとかじゃねぇもん!その……なんて言うか……」


ナライはバツが悪いように頭を掻く。
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