狐に嫁入り!?
それからチッと軽く舌打ちした。
「あー!もう!なんて言っていいかわかんねぇや!
けどな、実雨ちゃんにちょっとでもヒドイことしてみろ!?俺が奪いに行くからな!」
人差し指を立ててウタクにアピール。
ウタクはそれを鼻で笑う。
「それなら今すぐ奪って行くことだな」
「え、な!?既にヒドイことしてるって?そりゃそうか……ていうか自覚あんのかよ!」
ナライは一人ワタワタしている。
……遊ばれてるよ、ウタクに。
私もいつもこんな状態なんだろうな、って思うとナライに同情してしまう。
「と、とにかく!今よりヒドイことしたら覚悟しとけ!……それより実雨ちゃん……」
「何?」
ウタクの方を向いていた体を私に直し、ナライの瞳に私が映り込む。