狐に嫁入り!?
「幸せになれよ?」
深く、熱を帯びた瞳に真っ直ぐ見詰められて……
「……うん」
私は小さく頷いた。
「本当に辛くなったら俺んとこ来い」
「ありがとう」
「あとさ、ウタクの性格ちょっとでも優しくしてよ」
「そ、それは無理だと思う!」
私が慌てて答えると、ナライは「いーや、出来るよ!」なんて言って、切なげに笑った。
そして始めに降り立った中庭まで戻ると、身を屈めて自身の周りに風を集め始めた。
「そいじゃ、俺帰るから!」
「待て、狸」
「おわっ!」
ウタクがナライの首根っこを掴んで、引っ張り立たせる。
……どうしたの!?
ウタク!