狐に嫁入り!?
それから
「実雨ちゃんのために屋敷は狸側で修復してやる!ヤマジをこっちによこしてやるよ!」
と、言って地面を一蹴すると、空高く飛んで帰って行った。
「ふん、帰る時まで騒々しいヤツだな」
風が吹き荒れる中、小さく文句を言うウタクの声が聞こえた。
やがてナライが巻き起こした風が止んだところで、うっすら目を開けた。
木が結構揺れる音がしていたけど、折れたりはしてないらしい。
屋敷だけでも結構な被害なのに庭も壊したとなれば、ヤマジが直しに来た時、頭を抱えるだろうなぁ。
なんて思いながら辺りを見渡していると……
ガサガサッ!
木の陰から何かが現れた。