狐に嫁入り!?


それから

「実雨ちゃんのために屋敷は狸側で修復してやる!ヤマジをこっちによこしてやるよ!」

と、言って地面を一蹴すると、空高く飛んで帰って行った。



「ふん、帰る時まで騒々しいヤツだな」


風が吹き荒れる中、小さく文句を言うウタクの声が聞こえた。




やがてナライが巻き起こした風が止んだところで、うっすら目を開けた。


木が結構揺れる音がしていたけど、折れたりはしてないらしい。


屋敷だけでも結構な被害なのに庭も壊したとなれば、ヤマジが直しに来た時、頭を抱えるだろうなぁ。



なんて思いながら辺りを見渡していると……



ガサガサッ!



木の陰から何かが現れた。
< 261 / 515 >

この作品をシェア

pagetop