歌姫(仮)




…ーリハーサルが始まった。



全体のながれを確認して1回通してその後の残りの時間は個人の発声練習。






私の出番は最後だけど出演者は皆司会者の後ろに座っり、常にカメラがまわっているため一瞬たりとも気が抜けないのだ 。
しかも、トークでいきなり自分に話が振られる事もあるから色々準備もしておかなきゃいけない。
リハと本番で振られる話題が変わる可能性も多いにありえる。







やっと自分の番が来た。



《今日はお越しいただきありがとうございます》


「いえっ私もこの番組が好きで毎週見てるんですよ~」



実のところ2、3回しか見たことがない。




《そうなんですかっありがとうございます!そういえば先日デビュー1周年を迎えられたようですね!おめでとうございますっ》



「そうなんですよっ!応援してくださる皆様のおかげで1周年迎えることができました!ありがとうございます」





《しかしすごいですね!デビューから1年でこの人気っぷりは》




「そんなことないですよっ私はまだまだ未熟者なんで」



《これからもがんばってくださいね!じゃあ準備お願いしますっ》




私は席を立ち、マイクの置いてあるステージに向かった。





《それでは、5月19日発売のニューシングルHINAで゛キャンディ・キス″お聞きください。》



発声練習をしてないためリハではCDが流れる。



少しポップな音楽がながれて、私は歌う振りをした。




《はいっ今日も豪華アーティストでお送りしました!ではまた来週っ》





ー…『はいっリハ終了です!では出演の順番に発声室に入ってください。』




スタッフさんの掛け声で一番のアーティストさんが発声室に入っていった。





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