悠久の島
災厄の時はやってくる

膨大にあふれ出す魂を受け入れることができずに

彷徨いし魂も全てなくなり

深い闇へと堕ちていく

「もう、時間がないの、ここで私達が何とかしなきゃいけないの。」

少女は何度も何度も言った

それは 少年に言い聞かせると共に 自分に言い聞かせているのだろう

「このまま、船を漕ぎ続けているだけじゃ、だめなんだ、もう時間がない!」

少年は 自分の非力さに なす術もないと嘆いていた

しかし 少年の本当の目的と使命は そんなに甘いものじゃなかった

「大丈夫よ、安心して、力がないんじゃないの、忘れているだけだから」

少女は 少年に言い聞かせた

少年は 何かを悟った

「そうか、僕には、本来の力があるんだ、どうして今まで気づかなかったんだろう」

少年の体が光っている さらにその光が眩さを増していく

「天使って、どこから来たと思う?」

「それって、おとぎ話とかじゃないの?」

「天使はね、天から来たんじゃないの、地上から這い上がったのよ。」

「今の、僕達のように?」

少女と少年の背中には 羽が生えてきた

そして 大空を眺めた
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