指先の魔法
リンゴーン…リンゴーン…
教会の鐘が鳴り響く
ついにカズマとハルカはめでたく夫婦の誓いを立てた
「ハルカ…とても綺麗…」
「ありがとう…カズマも素敵」
二人は笑う
「私との約束守ってくれてありがとう」
ハルカは笑う
「俺もハルカと結婚できてよかった」
カズマも笑う
「だけどもう、時間だ」
カズマは静かに言った
ハルカは戸惑う
「ぇ…?カズマ…?」
「ごめんハルカ。俺はもう逝かなきゃいけない」
カズマの体が茨につつまれて行く
「やっ…やだ!カズマ?!」
「ハルカ。俺はもう死んでいるんだ」
カズマの体への茨の浸蝕は止まらない
ハルカは懸命に茨を引っ張るがびくともしない
「うそ…嘘よっ!!なんでカズマがっ!」
「あの日の事故、俺は本当は即死だった」
「だめっ!カズマっ!!」
カズマはどんどん飲み込まれて行く
「これが禁忌を犯した罰なんだ」
禁忌を犯した者は天国へ行けず、地獄の中に墜ちて行く
カズマはルリコフヌから聞いていた
「ハルカ、お前はちゃんと天国へ行け」
カズマのハートはもう最後のひとつが消えるところだった
「…無理よ…」