指先の魔法
「カズマ!はやく!」
「ハルカ、前を見ろ!転ぶぞ」
カズマはハルカを連れて海遊館に来ていた
「カズマ!見て!カズマにそっくり」
「バーカ。ハルカなんかこれだな」
「やだ!可愛くない!」
ハルカと過ごす時間はカズマにとって幸せだった
残り少ない時間、ハルカのために使う
行きたいところ
見たいところ
カズマはタイムリミットが迫ってくる体に恐怖を感じながらも
またこうして最愛の人と触れ合える喜びを噛み締める
その日はハートが5つになっていた
「ねえ、カズマ」
「何?ハルカ」
その日の夜、別れ際にハルカはカズマに言う
「私達、ずっと一緒にいられたらいいのに」
「…!」
「どこにも行きたくない。カズマと一緒にいたいの…」
「…俺も…」
カズマは胸が苦しかった
それは一緒にいられない苦しみなのか、死んだ苦しみなのか
カズマにはわからなかった
「…俺もハルカとずっと一緒にいたい」
明日は結婚式
カズマのハートはもう2つだった