世界の果てに - 百年の光 -

ゆっくりと瞼を持ち上げると、目の前に…


「え?」


…人が、いた。


あたしと年が変わらないくらいの少年で、癖のある栗色の髪はボサボサだった。


眠そうな紫色の瞳が、あたしを捉えた。


「…重い」


「え?あ、わあ!ごめんなさいっ!」


あたしは彼の上に乗っていたことに気付き、慌てて脇に飛び退いた。


むくりと起き上がった彼を、あたしはじっと見た。


「あの…あなたがあたしを助けてくれたの?」


「え」


紫色の瞳をあたしに向けると、彼は考え込むように、少し間を置いた。


「…違うけど。オレが寝てたら、キミが降ってきただけ」


そう言って欠伸をすると、彼は立ち上がった。


その動作までも、ゆっくりだった。


「じゃあ」


「じゃあ…って、え!?ちょっと待って!」


何の躊躇いもなく背を向けるから、あたしは驚いてその腕を掴んだ。


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