世界の果てに - 百年の光 -
しかめっ面のエルに、どこか楽しそうに微笑むアスティ。
この世界と、それから―――…
「二人が歩む世界を、あたしは一緒に見たい」
せっかく来た異世界。
すぐに帰るのは勿体ないなぁ、なんてふと思った。
…なんて、本当は二人ともっと過ごしてみたいと思っただけなのかもしれないけど。
「…ハッ、上等じゃねぇか」
ニヤリと笑ったエルに、あたしも笑い返す。
するとアスティが、何とも意地悪なことを口にした。
「オレたちがわざと遠回りしたらどうする?リオ」
「んなッ…、し、しないよね?」
「どーだかなぁ?盗賊は気まぐれだからな」
また、そんなこと言っちゃって。
結局はちゃんと、あたしのこと考えて行動してくれるくせに。
「…無事、帰れるといいのう」
優しく微笑みながら、長老があたしに向かって言う。
「大丈夫!」
満面の笑みで、あたしはそう答えた。
根拠のない自信だけど―――絶対、大丈夫だよ。