世界の果てに - 百年の光 -
………‥‥
ーーーエルとリオは、そろそろ帰ってくるのかな。
馬小屋でクリスの純白の鬣を撫でながら、オレは二人のことを考えていた。
前よりは明らかに、エルはリオを意識しているように見えた。だからこそ、リオを応援しようと思って二人にしたんだけど…
「……うーん」
リオが自分の気持ちをエルにうっかり伝えたと、エル自身から聞いたときのことを思い出すと、自然と唸ってしまう。
エルもリオも、変に不器用で、いじっぱりだからなぁ。こればかりは、オレには何も出来ないんだけどね。
「あと、三日かぁ……」
ポツリと呟いた言葉は、誰に届くこともなくその場に響く。
…良くも悪くも三日後には、この世界とリオの運命が決まる。
思い返せば、全ての始まりはあの日だった。
次の町へ向かう途中、荒野で休むことになって。エルが仮眠を取ってる間、オレは少し離れた所で微睡んでいて、微かな声を聞き取ったんだ。
それで空を見上げたらーーーリオが、落ちてきた。
「…不思議だなぁ」
あの時はまさか、一緒に運命を背負うなんて思ってもいなかった。
けど、きっと必然だったんだ。