もう一度、隣に。


このあと、ハルが涙ながらに「良かったですね」なんて言ってきたり、周りにいた人たちが拍手をしてきたりかなり恥ずかしい思いをしたけど、あたしたちは固く手をつないだまま学校を後にした。


…学校を後にした?

「あ!」

あたしは重要なことを思い出した。


「なに!?」

泰ちゃんが反応する。


「あたし、今日美樹と約束してたの!」


「…え?」


「だから美樹と学校で会う約束してて…」

「美樹なら来ないよ。」

泰ちゃんはふっと笑って言った。

「え?何で?」

「作戦だよ。」


「作…戦?」


いつかもしたこの会話。


「俺が椎香と会えるように美樹に相談してたの。」


ニッと無邪気に笑って言う泰ちゃん。


「何か…前にもこんなことあったよね…?」


「ん~、そうかもな!

でも2度と美樹と作戦なんてたてないよ。

もうずっと一緒だからな。」

あたしの頭にポンッと手をおきながら言った泰ちゃん。



泰ちゃん。

あなたが隣にいるだけでこんなにも幸せな気持ちになれるんだよ。


もう2度と並んで歩くなんてできないと思ってた。


だけど、これからはずっと隣にいさせてね。





         END
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