honey blood
寄ってきた女の血を貰って記憶消したり。



思い返してみると、今まで俺を受け入れたヤツはいない。



「どうでもいいけど血が止まらないんですが…。どんだけ深く噛みついたわけ!?」

「治してやるよ…」

「は!?えっ…」



この程度の傷、俺が舐めたら治る。



代償としてコイツの傷と同じ場所が一瞬痛むけど。



「マジで消えた…。ってか舐められた…」

「あ!?」

「洗いたい、洗いたい、洗いたい…」

「どんな意味だボケ…」

「汚いじゃん!!」



あぁぁぁぁ~…。



初めて感じたショックですわ…。



いちいちしゃくに触る女だな…。



「で、消して欲しいのかって聞いてんだよ」

「記憶消したらもう無理矢理飲まない?」

「飲む」

「じゃあ消さなくていい。知らない間に血が減ってんのなんて気持ち悪いし」

「そうかよ…」

「とにかく手ぇ洗いたいからじゃあね」

「オイ、なんも知らねぇ人間に他言すんなよ」

「したら?」

「殺す」

「わ、わかったよ…」



それにしてもうまかったな…。



< 15 / 506 >

この作品をシェア

pagetop