honey blood
もっと欲しいけど、コイツの動揺の仕方が気になるし…。



まぁみんなそんな顔するけど。



「記憶、消してほしいなら消してやる」

「は…?」

「今の記憶、消してやろうかって聞いてんだよ」

「消えたらどうにかなんの…?」



コイツは俺に大して抵抗がないと見た。



これでもかってほど怯えるヤツもいたりするし。



この反応は初めてだけど。



「ねぇ…」

「あ?」

「瞳が…紅い…」

「あぁ、しばらくな」

「アンタ、妖怪なの?」



妖怪!?



妖怪とも違うけど…。



初めてそんなこと言われた…。



「お前とは違う人種ってだけで、クラスの中にも数人いる」

「はぁ!?マジで!?」

「お前の隣の席の雪丸は人間とヴァンパイアのハーフだ」

「ハーフ…?」

「俺は生憎純血ってヤツで定期的に人間の血を飲まなきゃ死ぬ」

「ワォ…」

「今の反応イラッとした」

「ご、ごめん…」



ほとんど人間ばっかりの世の中で生きていくのは大変だったりする。



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