秘密
SIDE.今野珠子
ドアの方へ行くと、何事だろう。廊下に好美が立っていた。
「雨宮先生がね、自分の名前は出さないで珠子を呼んでくれって言ったの」
「そうなの?……何だろう」
美百合が不思議そうにしながら、教室の中に戻っていった。
代わりに珠子が廊下へ出て、久し振りに好美と二人きりになる。
それから好美は、封筒を差し出した。
白くて清潔感溢れる封筒だ。
「それ。私の結婚式の招待状。意味は、解るわよね?」
珠子は好美が酷く痩せたように思う。
珠子が返事をする暇もなく、好美はその場から去っていった。
その封筒をしっかりと持ち、珠子は悠平のいる教室へ戻った。
悠平はすべてを知っているかのように、こちらを見据えていた。
「……門田君」
「……」
「あたしには、意味が、解らないよ」
思わず泣き出しそうになったのは、何故か珠子の方だった。
珠子が差し出した封筒を、悠平は力なく受け取るとそれをじっと見つめた。そしてゆっくりと、中にあるカードを取り出した。