秘密
SIDE.今野珠子
翌日、ついに終業式が行われた。
全校生徒が集まる体育館は酷く暑いので、手短に済ませるらしい。
その終業式の中で、雨宮好美の退任の話もされた。一部には噂が広まっていたとは言え、生徒達は驚いて声を上げていた。
祝福されながら好美は体育館を出た。
妊娠した体に障ってはいけないのという配慮で、好美は人よりも早く体育館を去る。
「……終わっちゃった」
珠子は周囲に聞こえないように、溜め息混じりで呟いた。悠平は少し離れたところに立っている。
今彼がどんな気持ちで、ああして立っているのか、珠子には解らないし顔を見ることもできない。
早く終業式が終われば良いのに。
珠子は校長の話に耳も傾けず、ただ床を見つめていた。
「それでは、平成19年度第1学期終業式を終了いたします」
進行を務める教頭の声で、ようやく終業式が終了した。珠子はホッとして、美百合達と教室へ向かった。
教室からは、流れ解散のおかげで殆どの生徒が鞄を持って教室を出ようとしていた。
珠子も、流れに逆らわないよう帰宅した。ようやく待ちに待った夏休みが始まる。