秘密
SIDE.今野珠子
ああ、今あたしは先生の言いたいことがよく解る、感じ取ることができる。
結局あたしもこの人も、門田君の底知れぬ魅力か何かに捕らわれて離れることができないのだ。
「どうして私が七つも八つも年下の高校生に恋をしてしまったのか、不思議だった。けどどうしても好きなの、それに婚約をした彼も」
愛している、と好美は呟いた。
ああ、この女性はとても綺麗だなと珠子は思った。
「私は確かに彼を愛している、それでいて門田君とは恋をしているの」
「恋……」
「愛すると恋するの違いが解る?」
突然好美は珠子をじっと見つめ、そう問い掛けた。
珠子はどきりとして首を何度も横に振る。
「これは私にも解らないわ。一言で答えるには難し過ぎるのね」
ただ一つ解っていることは、好美はそう付け足して自嘲気味に俯いて微笑んだ。
「今の私には彼も門田君も必要なのよ」