秘密
 

SIDE.門田悠平
 



 
「ハジメ、俺帰るわ」
 

「は?帰るの?今日は一緒に飯でも食おうと思ってたのに」
 

「悪い、また今度にして」
 

 
もう、悠平は何もかもが面倒で、早く珠子と好美がいるこの学校から逃げ出したかった。
 

ハジメは仕方がなさそうに浅い溜め息を吐き、解ったよと頷いた。
悠平は鞄を持ち、おもむろに立ち上がって教室を出た。時刻は午後六時を指していた。本来ならば部活動をしている生徒しかいない校舎に、まだ悠平も、ハジメもいるのだ。
 

 
「あまり悩むなよ。行動してから悩む方が、お前らしいぞ」
 

 
教室から出た直後にハジメが言った。
思わず悠平は立ち止まる。
 

 
「……」
 

 
しかし、何も返答しないままに悠平は誰もいない廊下を突き進んだ。
 

 
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