秘密
SIDE.今野珠子
「何を食べようかなー」
薫は運転しながら鼻歌を歌っていた。珠子と薫とが外食をする時には、大抵ファミリーレストランである。
「たまは何が食べたいの?」
「いつも通りのドリアかな」
「ドリアかー。ドリアも良いけどピザも捨て難いんだよね」
「そんなこと言って、いつもピザにするくせに」
「だってピザ好きだもん」
珠子はこんな風に気紛れな薫が、どうしようもなく愛しくなる時がある。
抱き締めて欲しい、キスがしたい、今のところはそんな欲求がないので、珠子は安心して薫と二人でいる。
それからそんなことを考えている自分は、相当危ないなと自覚している。