秘密
 

SIDE.今野珠子
 



 
珠子はあれ以来も弁当を二つ作ることを続けた。弁当を作り始めてもう1ヶ月程になるが、珠子は未だに悠平とちゃんと話していない。
作った弁当は必ずといって良いほど、悠平の友人のハジメに言付けている。
 

 
「ちょっと珠子」
 

「何?」
 

「いい加減、門田君と仲直りしなよ。空気が重くて適わないわ」
 

「……ごめん」
 

 
珠子は、とりあえず目の前で愚痴をこぼす美百合に謝っておいた。喧嘩という程軽いものではないので仲直りも何もない。
 

 
「とにかく!明日のお昼は絶対に門田君と食べてね」
 

「えっ!?」
 

「そうでもしないと、あんた達ずっとこのままでしょう」
 

「そんな、無理だよ」
 

「うるさい、明日はあたし、あんたと食べないからね!」
 

 
美百合はバシリと珠子の肩を叩いた。珠子は美百合の優しさと強引さに感動しつつ、明日のことを考えながら呆気にとられていた。
 

 
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