秘密
SIDE.雨宮好美
出来上がったオムライスを皿に盛り、それを胡座をかいて座っている聡の目の前に置くと嬉しそうに目が輝いた。
「どうぞ」
「いただきます」
うん、今日も旨い、などと決まり文句を呟いた聡はいつものように美味しそうに平らげた。聡は好美が調理したものを、何でも美味しそうに平らげる。好美はそんな聡を好きだった。
空腹も落ち着いて、麦茶を飲み干そうとしている聡にふと思い出した好美が話し掛けた。
「そう言えば今日ね、毎朝ある職員会議で校長先生から結婚と産休の話をしてもらったの。皆凄く驚いていたわ」
ざわめいた教員達と、ぽかんと口を開けて放心していたあの橋本を思い出し、好美は途端に笑いが込み上げた。
「あいつは?あのしつこく誘ってきていた、何と言ったっけ、橋本だったか?」
「そうそう、開いた口が塞がらなかったみたい。放心していたわ」
好美は、聡を嫉妬させる為に今日も橋本に誘われた、前も誘われたのだと、以前からよく橋本の話をしていた。
聡は単純に気にしていたらしく、それを聞いて酷く安堵した。