電話越しの君へ
そんな私に溜め息をついて
彼はサッカー部目掛けてボールを空高く蹴り上げた。
「……ちゃんと前見て歩け、バーカ」
そう行って彼は去っていく。
――やだ、待って。
私、まだお礼言えてないよ。
ううん、違う。
私まだ、何一つ伝えられてない。
ずっと友達のままでいいから、傍にいたいって願ったのは誰だった?
誰より不器用で、でも誰よりも優しくて、そんなあなたの傍に私はいたいと願った。
……でも、気付いた。
友達なんかじゃ足りないほどにこの想いは大きかった。
だから、伝えなきゃ。
開きっぱなしのケータイを見る。
そこには『杉本慎也』の文字。
気付くと私は発信ボタンを押していた。