電話越しの君へ
次の日、廊下を歩いていると、空き教室で綾瀬たち四人が弁当を食ってるのが見えた。
だいぶ距離はあったが、いつもどこか綾瀬を探している俺の目は、自然と彼女を追いかける。
……可愛い。
少し内巻きにした肩にかかるくらいの髪の毛。
それが揺れて、彼女の瞳が俺を捉えた。
目が合うと、
明らかに動揺している綾瀬。
…?…何だ?
そしたらいきなり叫ばれた。
「す…杉本こっち見ないでー!!!」
……は?
びくっと肩をあげて俺は驚く。
廊下を歩く二組の女子が訝しげに俺を見てヒソヒソと話し始めた。
「…きっと次に綾瀬さんの金を巻き上げようとしてんのよ……」
聞こえてるっつの!!
キッと睨むとそそくさとそいつらは立ち去った。
「……で?お前次は綾瀬の金巻き上げんの?」
傍にいた友人に肩を叩かれ、「んなわけねぇだろ!!」と反論すると「好きだと目が追っちゃうよな〜」と返され、何も言えずに俺は肩を落としたのだった。