電話越しの君へ
「あさって学年末試験だぞ」
俺のこの台詞に、電話向こうの彼女はたっぷり一分は黙り込んだ。
その沈黙に確信する。
ああ……こいつ7組行き確定だな、と。
***
次の日の授業中、
必死に勉強している綾瀬を見て思う。
分かってたけど、来年も同じクラスになれるわけはない。
さすがに二年間の総まとめを明日までに終わらせるのには無理があるだろう。
……でも、明日はマーク試験だ。
記述じゃないから、
望みがないわけではない。
もしかしたら、あいつが間違って二組に滑り込む可能性だって無きにしもあらずなのだ。
だから、帰りの学活の後、驚く綾瀬を引き連れて近所の公民館の机を陣取る。
そして一言。
「勉強しろ」
綾瀬が文字通り目をまるくしたのが見てとれた。