電話越しの君へ


「……そうかよ」



チッと舌打ちをして、
俺は綾瀬の脇をすり抜ける。



今、ココで立ち去ったらダメだ。



延髄か、中脳か、脊髄か。



わかんねぇけど大脳じゃない、本能の中枢が立ち去るなって必死に指令を出してる。



でも俺は足を緩めない。



やっと分かった。



わがままだ、俺は。



綾瀬が俺を好きなの知ってんのに、なのに綾瀬に認めて欲しがってる。



恋とか、そーゆーのの前に、俺は『友達』である綾瀬も好きだったんだ。



俺が惚れたのは
紛れも無い、『友達』の綾瀬で。



それを否定されたみたいで
今、俺は綾瀬の返事に傷ついたんだ。



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