空白の時間=友情>愛情

貝殻

数日後、オレと賢二は海水浴場にいた。

泳いだり、ビーチバレーをしたり…海の家でかき氷と焼きそばも食べた。

やがて午後になり、人で溢れかえっているメインビーチから離れ、オレたちは海岸線を歩いていた。

「進路指導のYがさぁ、今のままじゃ志望校に受からない!ってうるせぇんだよ」

「ナオなら大丈夫だろ?」

「そうかなぁ…」

「あっ、キレイ!!」

賢二が拾い上げたのは、ピンク色に輝くハート型をした貝殻だった。

「オーッ、キレイだな」

「ナオにあげる!!」

「いいよ、賢二が見つけたんだろ!!」

「ナオにあげるって!!」

賢二はオレの手を取り、その貝殻を握らせた。



その後、岩かげでオレたちは長いキスをした。

オレが賢二を抱きしめると、賢二もオレにしがみついてきた。

しばらくすると、賢二が泣いていることに気づいた。

オレはさらに強く抱きしめた。



「ナオ…キスして…」

オレは無言でうなずき、賢二の口をふさいだ。



賢二はずっと泣いていた―。
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