空白の時間=友情>愛情

父親

広沢翼は部活中に職員室へと呼び出された。

7月4日の午後5時だった。

「おっ、広沢。すぐに家に帰りなさい」

広田先生は取り乱した様子でまくし立てた。

「たった今、お母さんから電話があった。お父さんが亡くなったそうだ」

―そうなんだ。

「えっ、分かりました」

「広沢、家まで送ろうか?」

―中国で死んだのかな?

「大丈夫です。ひとりで帰れます」

「そうか。気をつけて帰るんだぞ!!」

―“アニキ”ついにやったんだ…。

「はい、失礼します」

「おい、広沢。お母さんの力になってあげるんだぞ!」

「はい。ありがとうございます」



―広田先生はホントにいい人だな。
あんなヤツ、死んで当然なのに。
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