空白の時間=友情>愛情

兄貴

梅雨冷えの肌寒い日曜日、広沢翼はSNSサイトの“友人”とメッセージ交換に夢中だった。



『まだダメなの?』

『今はまだダメだ!!』

『いつまで待ったらいいの?』

『それはオレが判断する』

『いいけど…広田先生かわいそう。すごく心配してるもん…』

『また連絡する。彼女とデートの約束しないといけないんだろ?』

『オッケー!!またね!!“アニキ”』



広沢翼は彼女とのメールを始めた…。



静かに降り続く冷たい霧雨が、露草を濡らしていた―。
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