空白の時間=友情>愛情

無力

隆一氏が喫茶店を後にし、オレは冷たくなったコーヒーカップを眺めていた。



賢二は生きている―と翼は言った。

あの祝電は賢二が出したものかもしれない。

賢二は死んでない…。

しかし、その証拠はどこにあるというのだ。



隆一氏は言っていた。

「これはあくまで父の相続のための措置ですから、賢二の生存が確認されれば…失踪宣告は取り消されます」



賢二…。

お前は死んでなんかいないんだろう?

早く元気な姿を見せてくれよ!!

なんとかいう制度で…お前が死んだことになってしまうぞ!!



しかし、オレは何もできない…。

悔し涙が止まらなかった。
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