空白の時間=友情>愛情

約束

「ここまでは…って、まだ何か秘密があるのか?」

「とにかく今はこれ以上話せません」

「わかった。話してくれてありがとう」

「絶対に誰にも言っちゃダメですよ」

「それは大丈夫だ、約束する。しかし、賢二にオレから連絡する方法はないのか?」

「兄には兄の事情があるのでもう少し待ってください。きっと兄も先生と再会したいはずです」

「そうか…ありがとう」



広沢邸を出ると、まぶしい夏の太陽が照りつけていた。



オレは公園の水道で顔を洗った。

そのままベンチに座り、衝撃的な翼の話を思い返した。



賢二や翼の生い立ち…。

広沢寛治を取り巻く人々の苦悩や苦痛…。



ただ、賢二はどこかで生きている…。

それだけが救いだった―。
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