空白の時間=友情>愛情

決心

義母の葬儀を終え、広沢隆一は賢二から父・寛治の蛮行を初めて聞かされた。

「賢二…すまない。義母さんやお前の苦しみをオレは何も知らなかった」

「兄さん、ボクはアイツを…」

隆一に打ち明けたことで、張りつめていた糸が切れたように賢二は泣きじゃくった。

隆一は賢二の手を握り続けた。

「オレの母親は身体が弱く、オレを生んだ直後に死んだ。義母さんはオレを自分の子供同様に育ててくれた。義母さんはオレにとってもかけがえのない人だ」



「兄さん…ボクはアイツを許さない」

賢二は怒りに震えていた。

隆一は静かにうなずいた。



「兄さん…ボクはこの家を出るよ」
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