空白の時間=友情>愛情

計画

賢二は密かに隆一と計画を練った。

「本当に後悔しないな」

「しない」

「もう広沢の家には戻れないんだぞ」

「構わないよ」

「別人として生きるということがどうゆうことか…」

「兄さん、ボクは全て覚悟しているから…新しい戸籍の手配をお願いします」



賢二の決意は堅かった。



ただ気掛かりなのは…直紀のことだった。



ナオにだけは本当のことを…。

いや、ナオを巻き込むわけにはいかない…。

誰かに話せば、この計画はそこで終わりだ。



―ナオ、ナオ…。
た…す…け…て…ナオ…。


賢二は夜が嫌いだった。



深い闇の中をひとり、さまよい続ける夢を見るから―。
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