空白の時間=友情>愛情

幸福

オレたちは三年に進級し、以前ほど頻繁に会うことはなくなっていた。

賢二は東京の理科大を目指していたし、オレは地元の国立大を志望して受験勉強に没頭する毎日を過ごしている“はず”だった。



梅雨明け間近のある日…深夜、机に向かっていると…メールの着信音が鳴った。

『ナオ、明日はグローブ持って来いよ!久しぶりにキャッチボールしようぜ!!』

午前2時のメール-。

『まだ起きてたのか?わかった!早く寝ろよ!!』

『ナオはいつも優しいね☆おやすみ(^3^)/』



その日の夕方、オレたちは河川敷にいた。
数ヵ月ぶりのキャッチボールを楽しみ…肩を並べて座り、川面を見ながら話した。

「やっぱ、たまには身体動かさないとダメだな…」

「ナオ、ますますコントロール悪くなったんじゃねぇ?笑」

「うるせぇ!!」

オレたちは顔を見合わせて笑った。

「夏休みになったら、海に行かないか?」

「おっ、イイね!」

「ナオ、キスして!!」

「ばか、誰が見てるか分からないだろ?」

「ナオは優しくねぇな(笑)」

オレたちはまた、顔を見合わせて大声で笑った。

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