強欲な女
結局また悶々と考えてしまってあまり眠ることができなかった。



｢おはようございます。｣



いつもの様に挨拶して事務所に行くと珍しく恭平さんが居た。



｢おい、顔色悪いぞ。大丈夫か？｣



恭平さんが心配そうに私の方へ来てそっと私のおでこに手を当てた。



｢熱はなさそうだな。｣



｢全然病気とかじゃないんです。ただ最近余り寝てなくて……。自己管理不足ですね。｣



そう言って乾いた笑いをすると恭平さんが私の頭をそっと撫でた。



｢新しい環境で疲れてるんだろう。仕事終わったら旨い物でも食いに行くか？｣



｢はい。｣



恭平さんに誘ってもらえて嬉しかった。



家に一人で帰ったらきっとまた一人で色々考えこんでしまう。



潤と電話もできないし私は誰かに構って欲しかった。



潤が他の女と食事に行くなんて知ったら気が狂ってしまいそうなのに私は平気で恭平さんと食事を使用としている。



本当に自己中だと自分で思った。



でもこんな楽しそうな誘いを断ることができなかった。



(潤にバレなきゃ別にいいよね……。)


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