強欲な女
「なんだお前!」



玄関の側にいた男が急に大きな声をあげた。



「こっちです。!早く!」



どこかで聞いたことのある声がしたと思ったら警察官が数人部屋の中に入って来た。



何が起きたのかわけが分からないで警察官と言い争う男達を見ていると、誰かが私の腕を掴んだ。



「真美ちゃん早く!逃げるよ!」



返事をする間もなく私の腕を引っ張って走り出した。



「潤君何でここに………。」



こんなドラマみたいな展開信じられなかった。



走ってアパートからだいぶ離れたところで足を止めた。



さっきまでの恐怖と助かった安堵で目から涙が溢れだし足がガクガク震えてその場に座りこんだ。



「もう大丈夫だから。」



そう言って私を抱きしめてくれる潤君。



なぜ潤君があそこに居たのか、なんで私を助けてくれたのか、そしてなぜ今こんなに優しくしてくれるのか………。



分からないことだらけだが潤君の腕の中に包まれている今、私は幸せを感じていた。


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