強欲な女
私今潤君に告白された………?いや、そんなわけない。



「だって私は見た目につられて哲哉と関係をもったんだよ。なのに慶太に嫌われたくなくて慶太とも関係を持った。しかも変な男について行ったような馬鹿女だよ。潤君だって知ってるでしょ?」



「確かにバカだな。」



自分で言っときながら他人に言われるとさすがにへこんだ。



「バカだけど真美ちゃんって優しいから。真美ちゃんって人をバカにしたり悪く言ったりしないし誰にでも同じ態度で接してて俺憧れてたんだ。」



潤君は私という人間を勘違いしているみたいだ。



私は人から嫌われるのが恐いから思っても悪口を言わないし態度に出さないだけ。



きっと私と全く関係のないこれから関わりを持つこともないだろう人にはすごい悪態をつくこともできると思う。



私は人より小心者なだけ………。



でも私は潤君と付き合いたかった。



自分からカッコいいと思って惚れ込んだ人は潤君が初めてだったから……。



「こんな私で良かったら………。」



私は顔を赤らめながら潤君に言った。



潤君は嬉しそうな顔で私を抱きしめて優しくキスをした。



今までのどんなキスより嬉しかった。



愛されている実感があった。



私は潤君と幸せになろう。



そう思っていたのに…………。






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