オリオンの砂時計

講義中、時計の針を見ながら頭の中は食べ物でいっぱいだ。甘い物、脂っこい物、麺類がともすれば頭から溢れて流れ出しそうな程に湧き出てくる。講義が終わってトモダチと話す間も上の空で食べ物が頭から離れない。堪えきれず体調悪いことにして早退、後は食べ物を買い込み安全な場所…人に見られる危険の少ない場所でひたすら貪る。家族やトモダチの前では決してまともな食事を摂らない。野菜、キノコと脂身の少ないササミが主な食事だ。女の子でよくあるお菓子を配ってみんなで食べる時でさえ私は受け取らず一人コーヒーのブラックを静かにすすって早々に退散する。大学生になって強制参加の部活動も無く、クラスメートでも講義毎に教室移動するから一定の人と一緒にいる時間が長くない。なので元々希薄な人間関係になりがちな私は本当に薄っぺらなトモダチとの関係の中にいていつも何かが違うと虚無感と焦燥に駆られていた。
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