ビター・キャラメル
「誤解しないでね?俺きれいだから」
…それは、顏が?心が?
よくわからないから無視。
コーヒーをふいたふきんを持って、裏の水道に向かう。
「え、無視!?」
聞いてる!?
なんて言いながらどんどんあたしに近づいてくる。
「ぷっ、」
マスター、笑ってないで助けてください。
乙女が困ってます。
…そんな言葉を発する前に、彼の顏がドアップになって、しっかりとその目に捕えられてしまった。
これ以上後ろに下がれないことを知らせるように、カタン、と後ろのテーブルが音をたてる。
え、何?
そんな雰囲気だったっけ!?
とりあえず近い、近い!