嘘から始まる恋
でも成瀬くんにサッと視線を逸らされてしまった。
「そんなに嫌われてるのかな…」
はぁ〜…とまたしても溜め息を吐いてしまう。
どうしたらまた話せるようになるんだろ…。
「理子、さっきから溜め息ばっかだよ?」
席に座っていた純ちゃんが、隣に立つ私を見上げるように話しかけてきた。
「誰、見てるの?」
窓から中庭を覗こうとする純ちゃんを慌てて止め、窓を閉めた。
「な、なんでもないよ!!」
ハハハー…って笑い誤魔化す。
純ちゃんは不満そうな顔をしたが、席に座り直した。
純ちゃんの前では気をつけないと。
でもここ何日かずっと成瀬くんを目で追いかけてる…。
クラスが違うから見かける機会は少ないけど、女子が多いとこを探したらすぐ見つけられる。
成瀬くん、話したいよ。