嘘から始まる恋
「純ちゃん、私、告白出来そうにないかも…」
うぇーん…と泣き出しそうな声を出す。
「どうしたの?」
「嫌われちゃった…」
前みたいに意地悪な笑みでも浮かべてくれないし、話もしてもらえない。
「でも気持ち伝えた方がいいよ?何も言わなかったら後悔するよ?」
「………そう、かな」
机に伏せる私の頭を撫でてくれる。
そんな純ちゃんの優しさに触れ、最後に頑張ってみようかな…。
そう思ったのに昼休みに成瀬くんは空き教室には現れなかった。