嘘から始まる恋
「成瀬くんのバカ…」
意地悪…。
そんなに嫌なら一ヶ月間言いなりとか変なこと言うなよ。
最初から関わらなかったら良かったじゃん。
泣きそうなのを堪えて教室に戻ろうと廊下を歩いていると、女子と男子の話し声が廊下に響いた。
はしゃぐ女子に囲まれながら歩く数人の男子。
その中に成瀬くんがいた。
その姿を見た瞬間、堪えていた涙が溢れ出てきた。
慌てて顔を俯かせ、その集団とすれ違う。
廊下を曲がったとこで名前を呼ばれた。